
―まず、ヒエン電工とはどのような会社なのかについてお願いします。
ヒエン電工は船舶用電線をはじめ、被覆PC鋼材、通信用機材、機能性フィルムなど様々な製品を取り扱っておりますが、私が常に意識しているのは、ヒエン電工はナンバーワンよりもオンリーワンの企業でなくてはならないということです。
新しい時代は、これまでよりさらに「本物」が重視され、求められる時代となるでしょう。では、新しい時代に求められる本物とは何か。それは人の真似をするのではなく、真に世の中の役に立つ物だと私は思っています。
そのような本物を作っていくために、ヒエン電工が最重視しなければならないのがオンリーワンとしての力―つまり独創性です。例えば、下請けを行う中小企業が多い中で、当社は下請け作業を一切お受けしていません。この方針を守ってゆくためには、独創性を身につける必要があるのです。当社の特徴に小回りが効いて迅速に動けるという点がありますが、それに独創性を加え、より世の中の役に立つものを作っていく。それがヒエン電工の使命であると考えています。
―では、ヒエン電工をオンリーワンの企業としていくために、「人材」についてどう考えていますか?
武田信玄に「人は石垣、人は城」という有名な言葉がありますが、私が考えることも正にそう。組織は人あってのもの、企業の中心は人材だと考えています。
当社は実力主義なので、男女差別はもちろん新卒・中途採用の差はありません。さらに、若い方や経験が少ない方でも、頑張り次第でどんどん大きな仕事を任せています。その理由は、人は好きな仕事をするときに最も実力を発揮できるから。社員の皆に対していつもそれができるかというと、確かに難しい点もあるけれども、できるだけ好きな仕事をやってほしいと考えています。例えば何かのポストがあるとしたら、まず希望者に手を挙げてもらう。あるいは、積極的に「こういうことをやってみたい」とアピールしてもらう。その内容に近い仕事があれば、その人にやってもらおうということは、常々いっていますね。
具体的な人材育成法としては、2つの方法が必要になってくると思います。1つは品質管理など技術的なもの、もう1つはモチベーションなどメンタル的なものです。技術面で人材を育成していく場合、特に重要になってくるのは技術やスキルの継承。貴重な技術を継承していくために、余人をもって代えがたいベテラン社員は再雇用や延長も考えています。
さらに、それらの技術を吸収してもらうために、新卒の定期採用にも力を入れていきたい。若い人たちにスキルの高いベテラン社員と触れ合ってもらえば、師弟制度のような感じで技術の継承が実現するだろうと期待しているんです。
メンタル面では、OJTや中間管理職の訓練など、しっかりしたプランを立ててやっていきたいと思っています。当社は中途採用が多いので、管理職とはどういうものか、リーダーシップとは何かについてきちんと考える必要があります。スタッフのモチベーションを上げて、同じベクトルに向かえるように導いていく、そんなリーダーシップをもった人材を育てていきたいと考えています。
―2004年に50周年を迎えたヒエン電工ですが、今後ますますの飛躍に向け、社員に期待することは何でしょうか?
私が社員に求めるのは、第一にきっちりした人間性を備えていることです。人間としての礼儀正しさ、言葉遣いがきちんとしていること。あとは素直であってほしい。なぜかというと、素直な人、つまり人のアドバイスを素直に受け止める人は、何をするにしても伸びやすいんですよ。そして、常に知識欲や向上欲をもって、いつも少しでも自分を高めようとしていてほしいですね。
それから積極的であること。否定的なマイナス思考ではなく、プラス思考の持ち主であること。「なぜできないか」について語ることは簡単ですが、ヒエン電工が欲しいのは「どうすればできるか」について話せる人なんです。「なぜできないか」で終わってしまう批評家ではなくてね。
人間ですから、もちろん失敗することもあるでしょう。けれど、何かにチャレンジして失敗するのは当たり前ですから、私はかまわないと思うんですよ。同じ失敗を何回も繰り返すのは困るけれども、最もつまらないのは平々凡々、「大過なく過ごした」ということだと思いますね。たとえ失敗したって、それを肥やしとして進んでいけばいい。ヒエン電工は、失敗から学んで、何度でも再チャレンジできるだけの土壌を用意して待っていますから。







